貨幣理論

MMTが昨今、一部の会枠界隈では話題となっています。
MMTは日本語で現代貨幣理論となりますが、
今回は現代ではなく貨幣そのものの理論を説明します。
差し詰めMTといったところでしょう。

通貨が先か貸借関係が先か

正しい貨幣観を理解する上で
「貸借関係から貨幣が生まれる」
という考えが非常に重要となります。
これに違和感を覚える人も多いでしょうが、
冷静に考えるといたって当然の考えです。
貸借関係が存在しない場所で通貨があっても、
誰もそれを使いません。
逆に通貨の存在しない場所で貸借関係が発生した場合、
債権が発生します
その債権が取引に使われ、貨幣となるのです。
詳しくはお金とは(時間を超えた取引)をご覧ください。

供給能力

では、その貸借関係が成立するのに必要な要素は何でしょう。
それは供給能力です。
供給能力の無い人から借りることはできません。
債権者に何かしらの供給能力があることで、
債務者は債務を負うことができます。
また、債務者の供給能力を信頼することで、
債権者は債務者と貸借関係を結びます。
債務者に供給能力が無い場合は、貸借関係は成立しません。

通貨ができるまで

以上の事から通貨が発行されるプロセスを考えると
供給能力がはじめにあり、その後貸借関係が生まれ、
最終的に通貨が発行されます。
つまり、通貨の発行に最も必要な要素は供給能力となります。
MMTが国債発行の上限をインフレ率としているのは、
供給能力を超えた国債は発行できないからです。

まとめ

MMTは正しいのか間違えているのかが議論として上がります。
そんな中で、MMTは正しいとしている人の中にも、
間違えて理解している人が多くいます。
それは、供給能力が土台にあることを忘れているからです。
MMTを基に政策を考えるのであれば、
この点を無視しては間違えた政策を作り出してしまいます。

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