金融システムは詐欺

通貨発行に関して、多くの人がその仕組みを知りません。
そんな中、通貨発行の仕組みを知っている人の一部で、
現代の金融システムは詐欺だと主張しています。
オリーブの木もその中の一つです。
現代の金融システムは本当に詐欺なのでしょうか?

通貨発行の仕組み

現代の通貨発行の仕組みは、誰かが借金をすることで通貨が発行されます。
詳しいプロセスは信用創造で説明しています。
債権者は債務者の未来の生産物に対して、信頼し融資しています。
一言で言うと、与信です。
通貨は信頼をもとに発行されているのです。

信用貨幣論と商品貨幣論

通貨とは「与信により発行された負債である」
と考えることを信用貨幣論と言います。
一方「通貨は通貨そのものに価値がある」
という考えは商品貨幣論です。
現代の通貨制度は管理通貨制度といい、当局が通貨を物価などのから判断し、
通貨を管理しています。
これは、国の生産や政府の信頼をもとにした信用貨幣論にあたります。
かつての金本位制度は、お金は金の価値を基として、
お金そのものに価値を付けていました。
かつての通貨は商品貨幣論を基に成り立っていたのです。

詐欺だとする根拠

通貨制度が詐欺だという人は商品貨幣論が正しいと主張します。
それは、銀行は預金額を全てを賄うことのできる現金を持っていないからです。
歴史的に見ても、かつての銀行は預金者が預けている金以上の貸し出しを行い、
預金者全員が金を下ろしに来ても、それを賄える金は持っていませんでした。
これについては銀行の始りでより詳しく説明しています。
かつては、預金者の金を賄いきれず、現代でも預金者の現金を賄いきれない、
そんな、信用貨幣論は本当に詐欺なのでしょうか?
その通り詐欺です。

商品貨幣論がもたらしたこと

信用貨幣論が詐欺であるなら、商品貨幣論が正しいのでしょうか?
一言で言うと、商品貨幣論は間違えています。
商品貨幣論だと、金の量が経済の規模の制限してしまいます。
そのため、どれだけモノを作れても売れない現象が起きます。
つまりはデフレです。
事実、金本位制も時代、多くの国はデフレで苦しんでいました。
また、固定為替相場制も金本位制がルールの大本です。
この頃も、経済発展していても、経常収支が赤字なら、
経済規模を縮小せざるを得ない状況となり、
やはり多くの国がデフレとなってしまいました。
デフレは食べ物があるのに飢えている状況です。
つまりは、デフレは人災です。
デフレという人災を巻き起こす商品貨幣論は、間違えた制度なのです。

詐欺だからいい

信用貨幣論の場合、通貨は金の量に制約されません。
そのため、経済規模に応じ発行が可能となり、デフレに対処できます。
確かに、未来に対しての信用が通貨の担保であるため、
返済ができないことも多々あります。
しかし、無限の信用を持つ政府が存在している以上、対処も可能です。
実際は何もないものをあたかもあるようにしている現代の通貨制度は、
確かに詐欺となるでしょう。
しかし、詐欺であるためにデフレも対処でき、
与信によりレバレッジをかけることで、
経済や技術の発達を促すことができます。
また、国家が債務を引き受け、国民を助けることもできるのです。

結論

現代の金融システムは詐欺です。
ですが、詐欺だから良いのです。
歴史的に見ても、金の価値がお金の価値だった事実は、
一部の地域の一部の時代の話です。
通貨の歴史の殆どが信用貨幣論で成り立っています(メソポタミアのお金)。
確かに、人間が考えた制度なので完璧ではないのでしょうが、
これよりいい制度を詐欺と言ってる人から聞いたことはありません。

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