少子高齢化する日本の国債は危険だ

少子高齢化する日本では
「生産年齢人口は減少し高齢者は増えて社会法相は増大する
こんな状態ではいつデフォルトしてもおかしくない」
という意見を目にしました。
この意見には、他にもいろいろな根拠を挙げて、
国債発行を否定的に見ています。
今回は、この意見をじっくり精査します。

戦後は国債を発行していない

戦後20年間は、国債を発行していません。
財務省をはじめとする、国債発行に後ろ向きの意見の人が、
よく口にする話題です。
確かに、戦後20年間は自国建ての国債はありませんでした。
しかし、この時期はアメリカやIMFから借金していて
ドル建て国債を保有してたのです。
この国債を発行していない時期こそが、
本当はデフォルトの危機があった時代なのです。

生産年齢人口の減少

生産年齢人口と経済成長は関係ありません。
生産年齢人口が減っていても、
1人当たりの生産量が増えれば経済成長は起きます。
ジョージアやラトビアなどは、日本よりも生産年齢人口の減少は大きいにもかかわらず、経済成長をしています。
それに、今の日本はデフレなので、
生産量よりも需要量が少ないことが問題です。
高齢化で福祉が増大することで需要が創出されることは、
日本には願ったり叶ったりな状況なのです。

戦後国債はデフォルトした

戦後、ハイパーインフレが起き紙幣は紙くずとなり、
国債もデフォルトしました。
この結果から、国債は危険だと考えられるでしょうか?
そもそも、戦後のデフォルトは戦争という特殊な事情から発生したものです。
確かに今の日本も、戦争などの特殊な事情で
国債がデフォルトする可能性は0では無いでしょう。
ですが、そんな起きる確率が低いことを心配して国債を発行しなければ、
それこそ日本は破綻します。

国債は銀行にとって濡れ手に粟

銀行経営において、国債の金利による利益は存在します。
現状、国債の金利は下がり、銀行経営を圧迫しています。
ですが、国債が無ければ、日銀当座預金は発行できません。
国債は、金融や経済において必要なものであり、
濡れ手に粟とは少し、語弊があります。

銀行は融資したくない

「今の日本では企業の業績が悪いので銀行が融資を行わず、
国債を買い取っている」と発言しています。
これは、因果関係が真逆で
日本がデフレなので企業がお金を借りたがらないため、
銀行は国債を中心に経営をしているのです。
インフレで、企業が盛んに借り入れを行えば、
銀行の国債の需要も低くなります。

政府は国民から借りている

日本人の個人資産は1800兆円です。
これを超える国債を発行した場合、政府はデフォルトすると発言しています。
これは完全な事実誤認です。
政府は国民から資金を借りていません。
日銀当座預金から借りています。
そして、政府が国債を発行すれば個人資産は増えます。
詳しい説明は国債MMTをご覧ください。
国債が通貨であるという認識が無いため、このような勘違いが起きるのです。

国債のGDP比は200%

国債のGDP比は引き下げなくてはならないのは事実です。
ですが、なぜこうなっているのかといえばデフレだからです。
デフレの状況では、お金を使わないで貯めてしまいます。
つまり、ストックに対してフローが少ないのです。
政府が国債発行で需要の後押しをすれば、解決します。
経済成長には、政府が動かなくてはならないのです。

結論

以上が「少子高齢化する日本の国債は危険である」の反論です。
多くの人は、この意見を聞いてもっともだと考えます。
もっともらしい根拠を挙げているので、
ある程度知識が無いと納得させられてしまいます。
国民が国債に対する正しい知識を身に付けることこそが
日本経済復活のカギとなります。

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