アメリカの南北戦争は、黒人奴隷を開放するかどうかという戦争です。
多くの日本人は、奴隷解放は人道的な理由から行われたと考えています。
その様な側面が無いとは言いませんが、それは大きな理由ではありません。
事実、アメリカでは黒人に対する差別は、南北戦争後も長く続きました。
奴隷解放は、経済による理由が大きいのです。
南部と北部の奴隷に対する認識の違い
奴隷解放をすべきだとアメリカ北部では主張され、南部では奴隷制度は継続すべきであると主張されました。南部と北部では産業構造が全く違うため、主張の違いが起きたのです。南部は綿花の栽培が産業の中心で、綿花の栽培には奴隷が多く必要でした。一方、北部は工業が盛んでした。そのため、奴隷を開放し、流動的な労働力を確保し、奴隷だった人も自由に消費させることで市場を拡大させたかったのです。こうして、南部と北部では奴隷に対する考えの違いから、戦争へと発展しました。人道的な理由だけでは、戦争まで発展はしません。経済的な理由が大きいため、戦争に発展したのです。
北部が勝った理由
南北戦争の結果は、北部が勝利して奴隷が解放されました。北部が勝利した最も大きな理由は、北部は工業が盛んだったからです。北部は生産性は、武器を作ることなど南部よりもはるかに高いものでした。生産性が高く、経済的に大きな国が強いというのは、現在でも同じことが言えるでしょう。
結論
以上が南北戦争と奴隷解放です。
奴隷解放は良い事でしょう。ですが、その背景は経済的なものです。その戦争の勝敗も経済的な差で決しました。
いつの時代も歴史を動かすのは、経済なのです。