多くの人が、働く時のモチベーションはお金でしょう。「お金を貰うから働く、お金を貰えるから頑張る」といった具合です。ですが、お金をモチベーションにするのは最悪です。
今回は、お金のためと考えることが良くない理由を解説します。
報酬は仕事をつまらなくする
お金とモチベーションを研究するため、2つのグループに分けた実験を行いました。一つのグループでは単純作業を低賃金で行いました。もう片方のグループは、同じ単純作業を高収入で行いました。その後、被験者から単純作業に対する満足度を聞きました。その結果、賃金が低いグループの方が作業に対する満足度は高かったと答えたのです。なぜこのような結果となったかと言えば、低収入の場合は賃金には魅力を感じません。そのため、自分がしている作業に魅力を見出し、結果として作業に対する満足度が高くなるのです。一方、高収入の被験者の場合、賃金が魅力的なため、単純作業がつまらなく感じてしまい、作業への満足度が低かったのです。
外的要因はモチベーションを下げる
次に、外的要因は続かないということです。外的要因とは、報酬などの外側からの動機付けの事です。逆に、好奇心や興味などの内側からの動機付けを内的要因といいます。外的要因は内的要因よりも、モチベーションは長く続きません。例えば、とある父親は息子に野球の練習をさせていました。野球の練習をさせるため、野球の練習をするたびにお小遣いをあげていました。しばらくすると、息子はグローブを置いてしまいました。これは、外的要因では長く続かないことを表しています。よく、子供が頑張っているとご褒美をあげたりしますが、これは良くありません。自分で好奇心を持ち、内的要因でモチベーションを保っていたのに、ご褒美をあげたことで、内的要因が外的要因へと変わってしまいます。そのため、子供は興味を失くしてしまうのです。
お金以外をモチベーションとする
さて、ここまで読んで頂いた方の中に「それじゃあ、給料は低い方が良いのか」と思われた方もいるかもしれません。それは、間違いです。私が言いたいのは「自分がしている仕事は興味を持てているのか」ということです。興味を持っている仕事でも、給料が高ければ良くないとも言ってません。給料とは関係ないところでモチベーションを保っていれば、給料は高くても問題ありません。例えば、スキルが上がることをモチベーションにしていれば、それは内的要因となりえます。先に挙げた話は、単純作業です。話の前提が違います。
結論
「働くのはお金を稼ぐためだ」という人がいます。確かに、お金を稼ぐことも大切です。しかし、それ以上に大切な事があるはずです。ですが、今の日本ではそれに気が付き難い状況です。デフレでお金の価値が上がり、お金が大切だと考えてしまうからです。現状の日本では、所得が低い以外の理由で人々は幸せにはなり難い状況です。人々が幸せになるためにも、財政拡大で景気を良くするしかありません。