中央銀行

今回は中央銀行について説明していきます。
ちなみに、日本の中央銀行である日本銀行はジャスダックに上場している民間企業です。日銀の出資証券の保有率の55%は日本政府です。

中央銀行の歴史

世界で一番初めにできた中央銀行はスウェーデンのリクスバンクです。次にできたのはイギリスのイングランド銀行です。
リクスバンクは銀行の始まりでかいたような成り立ちをしています。最終的に銀行券の発行を唯一認められました。
イングランド銀行はフランスとの戦争のための戦費調達として政府の負債を引き受ける王国政府の銀行として誕生しました。そしてその後唯一の銀行券が発行できる銀行となりました。
以上が中央銀行の大まかな歴史です。

中央銀行の役割

次に現在の中央銀行の役割ですが主に、「銀行券の発行」「銀行の銀行」「政府の銀行」となります。
「銀行券の発行」は中央銀行に唯一認められた権利です。銀行券が中央銀行にある段階では紙切れですが、銀行券が市中銀行の日銀当座預金から引き出し時に貸し借りの事実が生まれるので発行されます。

銀行の銀行

「銀行の銀行」とは、市中銀行の口座(日銀当座預金)を開きます。また市中銀行に融資する際の金利(政策金利)を調整して景気の動向を調整します。 いわゆる、公開市場操作です。
市中銀行が破綻する危機に陥った時、最後の貸し手として市中銀行に融資することが出来ます。これは日銀特融と呼ばれ、国債や手形などの担保を必要とせず、無からお金を作り出します。

政府の銀行

「政府の銀行」とは、政府が資金を運用する口座(日銀当座預金)を持っています。 
その他に日銀の仕事として為替介入、株の買い支えなどがあります。
銀行券と日銀当座預金はバランスシート上では負債として計上されています。これまで別の記事でお金は負債の一種であると書いてきたため負債に計上されているのはおかしなことではありません。しかし誰に返すわけでもありません。昔なら交換できる金がありました。つまり、日銀当座預金と銀行券は誰にも返さなくてもいい借金なのです。
日銀当座預金には金利が付くので返さなくてはいけないように感じますが、そもそも当座預金は金利をつける必要がないのです。つけている理由はつけないと国債を市中銀行が売ってくれないからです。

日銀ができること

ここまでの話で分かったと思いますが、日銀が実際に直接介入できるのは金融経済です。実体経済には直接介入はできないのです。
確かに金利を上げたりして間接的な関与はできますが、直接的なアプローチは行えません。つまり、日銀当座預金を増やしても、そのお金を銀行が貸し出しを行わなければ市場にお金が流れないので、デフレの解消にはなりません。これがリフレの成功しなかった理由です。
もしも、実体経済を良くしたいのなら日銀ではなく政府が直接関与しなくてはならないのです。

結論

中央銀行が自国通貨建て国債を買い取ることで政府の返済負担が消滅します。つまり、最終的な政府の決算は中央銀行との連結決算で行います。この考えを統合政府と言います 。なので、政府の国債が全て自国通貨建て国債なら、政府はデフォルトしません。

最初に日銀は民間企業だと書きました。確かにそれによる問題点もあるでしょう。しかし、それ以上に国民が通貨の事を理解していないことの方が問題です。マネタリーベースが増えれば景気が良くなるなど、明らかにおかしなことに惑わされないためにもしっかりとお金について理解していきましょう。

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