ブレグジット

今、EUではイギリスのブレグジットが騒動になっています。
ブレグジットとはイギリスがEUを離脱することです。
では、なぜこのブレグジットでEUは混乱しているのでしょうか。

ブレグジットを知るためにはまず、EUの仕組みについて理解する必要があります。
そもそも、EUに加盟している国には国家主権がありません。
EUに加盟している国の法律はブリュッセルに本部を置く、欧州委員会で決められます。この欧州委員会のメンバーはEU各国政府から選出された28人のメンバーで構成されています。つまり、選挙によって選ばれた人間ではないのです。なので、選挙で選ばれていない人間に法律を決められているため、民主主義があったものではありません。
欧州議会は選挙で決められているという意見もあるでしょう。
しかし、欧州議会の議席数は人口比率です。なので、各国は議席をほとんど取れないので、欧州議会は自国のために動いてはくれません。
そもそも、欧州議会には法案提出権がないため、実質欧州議会は法律の監査しかできません。予算については欧州議会と欧州委員会は同等の権利を有していますが、そもそも同等というのがおかしな話です。
この様に、EUに加盟している国は自分たちの国の事を自分たちでき決めることが出来ません。これは、国家主権を犯されているとしか言いようがありません。

次に、貿易の問題が話題となります。
しかし、これはイギリスにとってなんの問題ではもりません。
イギリスのEUに対する輸出はGDPの15%ほどです。そして、EUに対しては貿易赤字です。さらに、イギリスはEU加盟時からEU向けの輸出は低下しています。EU加盟以前は欧州に対する貿易は増えていました。また、EUに加盟していない国はEUに対する輸出を伸ばしています。
つまり、貿易に関してイギリスは何の恩恵も受けていないのです。
イギリスが離脱して損をするのは、イギリスに対して貿易黒字のEU加盟国です。

イギリス国民がブレグジットを選択した理由は移民問題が注目されます。そのため、ブレグジット賛成派は差別主義者だという報道がなされます。
しかし、問題の本質は移民ではありません。問題の本質はイギリスが国家主権を取り戻すかどうかということです。

普段マスコミは民主主義は大切だといっています。しかし、EUには民主主義がありません。これについて批判するどころか、イギリスを批判する始末です。
この様な報道がされる原因は、マスコミはグローバル化を推進しているからです。グローバル化して人々が幸せになるなら、グローバル化を止めません。しかし、ヨーロッパすらも一つにまとめ上げられない現状で、世界を一つにすることなんてできるはずもありません。
ブレグジットはグローバル化によって起きる弊害の象徴なのです。

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