政府支出とGDP

世界各国の政府支出とGDPの成長のグラフを見て、
とある経済学者が
「相関関係はあるが因果関係があるかは分からない」
との発言をしていました。
非常に興味深いので考察します。

GDPとは

支出面でもGDPの計算の中には、
政府最終消費支出が含まれます。
つまり、政府支出が増えれば、
GDPが増えるのは自明の理です。
相関関係や因果関係とか、
そういったことは関係ありません。
国民にお金を配ってパチンコに使っても、
経済成長するのです。
すべてを貯金に回す、
これが正しい反論になります。

経済成長が先

彼の話では経済成長をすることにより、
税収が増えるから政府支出が増えた可能性がある、
そういった指摘をしていました。
政府支出を増やさずに経済成長した場合、
民間の負債が膨らんでいる状況です。
つまり、バブルが起きているのです。
つまり、日本以外の多くの国では、
20年以上バブルがはじけることなく続いている、
そういったこととなります。
そもそもそんな事にはなっていません。

どの国も負債を増やしている

そもそも論として、
どの国でも政府の負債は増えています。
税収が増えたから政府支出が増えたのなら、
政府の負債は拡大しません。

予算執行と徴税

予算執行と徴税は、
予算執行の方が先です。
税収が増えて政府支出が増えるなら、
徴税が先に行われることになります。
これは事実と反しています。

お金のプール論

三橋貴明氏がよく言うお金のプール論。
税収が増えたから政府支出が増えた、
この考えは財源が税収だという考えが根底にあり、
まさにお金のプール論です。

最後に

「経済成長して税収が増える」
経済成長の循環を見れば、
これ自体は正しいでしょう。
ですが、現実問題として、
政府支出を増やせば経済成長すること、
それ自体を否定することはできません。
完全なる因果関係を証明することはできませんが、
それで鬼の首を取ったかのような発言をする、
そういう人が持ち上げられているのが残念です。

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