借金がいけないというマインド

日本人の多くが、借金はダメなものだと考えています。しかし、貨幣は借金をすることで生まれるため、借金は経済発展に欠かせない要素なのです。
今回、借金はいけないという考えがいかに危険かを説明します。

借金の必要性

まず、借金は資本主義において必要な存在です。なぜなら、借金こそが通貨だからです。これはお金とは(時間を超えた取引)お金とは(信用創造)をはじめとする記事で説明しています。つまり、借金しなくては通貨は生まれないのです。そして、資本主義社会においては、何か新たな事業を始める場合は借金から始めます。つまり、資本主義においては借金をしなくては成立しないのです。

日本人が借金を嫌う理由

次に、日本人はなぜ借金がいけないことだと考えたのでしょう。これに関しては、諸説ありますが、私は江戸時代にできた考えだと思います。江戸時代は、お金に対する考え方が、若干現代と似ていました。なぜなら、不景気な時は緊縮財政を行い、景気をより悪化させるということがあったからです。徳川吉宗の享保の改革はその代表です。歴史の授業では、享保の改革は良かったと習いますが、実際はその逆で、不景気となり少子化が進みました。
では、なぜ江戸時代はお金に対してこの様な考え方だったのでしょう。それは、徳川家康が国中を程よく貧乏な状態にしたからです。戦国時代は、争いが絶えなかったのは、あらゆる武将が力を持ったからです。また、国中が貧乏だと革命が起きてしまいます。なので、国中が程よく貧乏であるなら、多少の不満があっても我慢をするだけです。そのため、お金は汚い、お金は汗水たらして稼ぐのだという考えを国中に植え付けることで、日本を程よい貧乏にし、統治しやすくしたのです。そこから、お金に対する認識がおかしくなり、借金は悪だという考えが生まれたのです。

危険な思想

お金を借りることが悪いことではないということ、日本人がなぜ借金を嫌うのかということが分かったところで、借金が悪いという考えが危険化について説明します。まず、借金をしなくてはお金は生まれないからです。お金とは負債であるため、誰かが借りなくてはいけません。これについてはお金とは(時間を超えた取引)を初めとする記事で、詳しく説明しています。なので、誰も借金しなければ経済は縮小し破滅します。ここで、勘違いしてほしくないのは、個人が無駄な借金をしろとは言っていないことです。個人には返済能力に限界があるため、身の丈に合った借金をすべきです。ですが、もし何か挑戦したいなら、大いに借金をすべきでしょう。もし失敗しても、自己破産なり法人を潰せば良いのです。日本では、自己破産や法人を潰すことを悪だと考えますが、借金で経済がなりったている以上、正当に認められた権利なのです。ですが、これらの行動は世間では後ろ指をさされたりします。そのため、借金を理由に首をくくる人がいます。この、借金はいけない事だという考えは人を殺すのです。

次に、借金はいけないと考えると、それを他の人にも押し付けます。何かチャレンジしたい人に対して、後ろ向きなことを言い止めたりします。すべてのチャレンジを認めろとは言いませんが、チャレンジしなくてはイノベーションは起きません。これは、個人だけでなく企業が、新しい技術の開発をしたり、大学が新しい研究をしたりするとき、これは将来何の役に立つのかと問いかけ、お金を貸さなかったりします。また、政府は国債を発行してまで研究費などに予算に組み込もうともしません。こんなことでは技術は進歩しません。また、予算制約がない国家にまで節約させたがります。「無駄な公共投資はやめろ」「公務員は給料が高い」といった具合です。ですが、その無駄な公共投資や公務員の給料が経済を支えているのです。借金はいけないという考えは経済を縮小させるのです。

まとめ

今回は、借金はいかに必要なものかを説明しました。
確かに、借金の中には良くない借金もあります。ですが、全てを一括りにして借金が良くないとしてしまうと、経済が回らず、自殺してしまう人が出てきます。借金がいけないという考えは人を殺すのです。

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