トリクルダウン理論とは、富める者が富めば貧しい物にも自然に富が滴り落ちるという理論です。トリクルダウンとはまさに滴り落ちるという意味です。
この理論は立証されていないことから「トリクルダウン仮説」とも言われています。実際の世界では、トリクルダウンは起きません。
では、なぜトリクルダウンは起きないのでしょう。
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トリクルダウンは妄想
実際の経済においてはトマ・ピケティの「21世紀の資本論」において、経済成長率よりも資本収益率の方が高いと結果を出しています。これが意味することは、富める者は富み、貧しいものはより貧しくなっているということです。つまり、トリクルダウン理論が完全に妄想だったのです。
しかし、格差が縮まっていた時期も実際にはありました。それは、第二次世界大戦後から70年頃までの間です。この時代は、ケインズ経済学を基本とした経済政策を各国が行っていた時期です。
では、なぜケインズ経済学が行われていた時期には、格差が縮小したのでしょう。
全体のパイ
まず、現在の経済は完全にゼロサムゲームです。そのため、経済全体のパイの数は決まっています。なので、富める者に富が集まれば自然と貧しい者のパイは減ります。そのため、トリクルダウンは起きないのです。一方、ケインズ経済学は需要に着目して公共投資などを増やしました。そうすることで、貧しい者の富を増やします。経済全体のパイを増やすことでポジティブサムゲームとするのです。つまり、格差が縮小していた時期はトリクルダウンで縮小していたわけではないのです。実際、ケインズのマクロ経済学ではトリクルダウン理論は棄却されています。
結論
現状の日本はゼロサムゲームです。そして、トリクルダウン理論はただの妄想です。それなのに、日本はゼロサムゲームを続け、金持ち優遇政策を取り続けています。しかも、国民がそれに気が付いていないのが今の日本です。
日本の格差が広がるのは政治の問題です。トリクルダウン理論といった経済学者の妄想に付き合っていては、格差はどんどん広がり続けます。