夜警国家と福祉国家

夜警国家とは、国家の機能を最低限に抑えた自由主義な国家観です。最低限の機能とはいろいろな観点がありますが、国内の治安の確保と私有財産を守ることだとされています。夜警国家の反対派福祉国家となります。今回は、夜警国家と福祉国家について考察します。

世界の流れ

現在、世界の流れは夜警国家へと向かっています。特に最近の日本ではその傾向が顕著です。政府の事業を民間へと委託して、政府の機能を小さくしています。郵政民営化、水道民営化がそれの代表でしょう。また、最近では警察の仕事も民間に任せよというとんでもない意見まで出ている始末です。夜警国家は「小さな政府」であるため、新自由主義とは非常に相性がいいのです。

福祉国家とは

福祉国家とは、国家が国民の幸せに対して責任を持つ国家を指します。そのため、福祉国家は政府の権限が必然的に大きくなります。現在の先進国のほとんどは福祉国家に該当します。高福祉の北欧諸国では、国民の殆どが公務員です。国民の多くが公務員ということは、政府の権限は大きいということとなります。よく、北欧は高福祉だから消費税が高いので、日本もそうすべきだという意見がありますが、土俵が違います。北欧は国民の殆どが公務員であり、外需国です。日本は、公務員は少なく、内需国です。根本的に社会構造が違うのです。

先ほども述べましたが、現在の世界は夜警国家へと向かっています。日本では多くの人が、それに賛成しています。というよりは、新自由主義的な政策を賛成しています。その結果、日本は夜警国家へと進んでいるのです。新自由主義を標榜するグローバリストにとっては夜警国家の方が望ましいのかもしれません。ですが、多くの人は福祉国家の方が良いはずです。そういった人が「小さな政府」に賛成しているのは、非常に滑稽です。

結論

現在、日本の中央政府の権限は非常に弱くなっています。日本を皮肉するときに、日本は社会主義だと言う人がいます。とんでもありません。小さな政府は社会主義とは対極です。なので、今の日本は共産主義なのです。
今の新自由主義は、一部の人しか得をせず、多くの人が損をします。そういったことを理解して、グローバリストに騙されることなく、政治に参加しなくては、日本は夜警国家となり、滅びてしまうでしょう。

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