ラッダイト運動

ラッダイト運動をご存じでしょうか?多くの人が歴史の授業で習ったと答えるでしょう。ですが、このラッダイト運動は多くの人に誤解されています。
今回は、ラッダイト運動から現在の経済を考察します。

本当の目的

ラッダイト運動は、ラッダイトと呼ばれるイギリスの労働者集団が、雇用が失われるとして、機械を壊して回った運動だと多くの人が考えています。確かにラッダイトは機械を壊しました。ですが、動機がまるで違うのです。彼らが機械を壊したのは、一部の資本家が機械を所有していることに対する反発だったのです。ラッダイトは機械に対して怒りを向けたのではなく、社会構造に怒りを向けたのです。それもそのはずで、一部の資本家しか機械を所有できなければ、資本家と労働者の間に格差が生じるため、彼らの怒りは尤もなのです。

多くの人が勘違いしている理由

では、なぜ多くの人がラッダイト運動について誤解をしているのでしょう。それは、ラッダイト運動の動機を知れば、現在の社会構造に疑問を持つ人が多く現れるからです。現在の社会構造は、産業革命以降とほとんど変わっていません。そのため、現在でも一部の資本家と労働者の格差は広がり続けています。現在の社会構造に疑問を持たせないためにも、ラッダイト運動に関しては誤解をしていてくれた方が、一部の資本家にとって都合は良いのです。

現代のラッダイト運動

ラッダイト運動が歴史の授業以外で話題に上がる場面として、AIによる雇用問題の話の時でしょう。AIに仕事が奪われると主張する人に対して、AI促進派はラッダイト運動の話を引き合いに出し、そんな心配はないと反論します。確かに、これに関しては私もその通りだと思います。ですが、ラッダイト運動の本質を見たとき、AI問題の本質が見えます。それは、格差の問題です。一部のAIを使える人と使えない人との格差が大きくなります。これに関してはスマホに支配されているで別の切り口から指摘しています。

結論

今後、AIの登場により産業構造は大きく変わるでしょう。
ですが、人々の心は農業を始めた頃から変わっていません。
技術の発展は素晴らしいことですが、それに心が着いて行かなくては人類の未来は悲惨なこととなるでしょう。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする