バベルの塔から分かること

以前、英語教育は格差社会の始まりで英語教育の問題点について解説しました。今回は、バベルの塔の話から言語について考察します。

バベルの塔のあらすじ

バベルの塔は旧約聖書の創世記に出てくる話です。その内容は
「人類は、皆同じ言語を使っていた。ニムロデ王は神に挑戦しようとし、天まで届く塔を建設を計画しました。この塔をバベルの塔といいます。バベルの塔の材料には煉瓦が使われました。これを見た神は、人々が同じ言語を使うとろくなこと考えないとして人類が使う言語をバラバラにしました。言語がバラバラになった人類は混乱し塔の建設を止め、人々は各地方に散らばりました」
これが、バベルの塔の話です。
一般的には、神が塔を壊したとされていますが、創世記には壊したと明確には記述されていません。昔から伝わる話なので、多少の違いがあるのは仕方がないことでしょう。
また、現実不可能な計画を比喩的に「バベルの塔」と言ったりもします。

言語の統一

この話の教訓としては、現実不可能な計画を立てたのは、科学に対する過信であるとされています。塔の建設に煉瓦を使ったことからその様に解釈されることがほとんどです。しかし、今回私が注目するのは、言語がバラバラになれば人々は協力しなかったということです。現在、グローバル化の流れで国境はを無くし、いろいろな人が協力し合う世界にしようとしています。確かに、実現できれば素晴らしいことでしょう。しかし、現実は言語の壁が存在します。言語を世界で統一させるためには莫大な時間が必要になります。そして、言語を統一させるなら、その過程で確実に格差が生じます。そうなれば、貧困層は、統一言語を学ぶことが出来ません。そうなれば、言語統一が出来なくなります。つまり、言語を統一させるなんてできないのです。

言語と技術

次に、私が注目する点として、言語が統一された世界では技術は発展しいということです。一般的には、今まで石を使っていたものが、煉瓦になったことで技術が発展したと考えられています。しかし、私は逆だと考えます。古代遺跡のクスコを始めとする石工は現代技術でも再現が難しいとされています。しかし、煉瓦は非常に簡単に作れます。このことから、バベルの塔で煉瓦を使ったことを強調しているのは、この時代の技術は低かったことを表したかったのだと思われます。この、石工技術は洪水で流れたとされる説があり、その後の継承がうまくいかなかったとする考えがあります。この考えから、統一言語化では、伝承もうまくいかず、過去の技術に追い付くこともできないということが分かります。つまり、統一言語の時代では技術の発展は遅いと言えるでしょう。
統一言語では技術が遅くなる理由はハッキリとは分かりません。なので、あくまで私見ですが、意思伝達が遅くなるからだと考えます。あらゆる土地において、重要とされる事は違います。そのため、言葉は重要なものはすぐに伝えられるよう発展します。しかし、統一言語だとそこの意思伝達が遅れます。そのため、言語の進化も遅れます。言語は技術が発展する度に新しい言葉が生まれます。それが、遅くなるということは、必然的に技術発展も遅くなるのです。これが、私の考える統一言語では、技術発展が遅くなる理由です。
グローバル化を推進する人は、英語によって日本の技術は発展すると考えますが、むしろその逆だと、「バベルの塔」から分かります。

結論

以上が「バベルの塔」の考察です。
英語教育を始めとするグローバル化の流れは、昔からありそして失敗しています。過去の失敗から反省し、それをもとにグローバル化を目指しているのなら良いのでしょう。しかし、現在行われているグローバル化は、過去の反省を一切せずに行われていることが非常に問題であると私は考えます。

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