コンセッションは地獄への道

コンセッション方式とは、企業が特定の範囲で、免許や契約により独占的な営業権を与えられて状態で行う事業方式です。コンセッションとPFIはほぼ同じ意味です。なので、詳しい説明はPFIを参照ください。
コンセッションに関して、公設民営なので大きな問題はないという意見をよく目にします。この意見は果たして正しいのでしょうか?
今回は、公設民営に関する私の不安は本当に杞憂なのか考察します。

水道民営化

今回の、コンセッションは公設民営であるので問題はないという意見は、水道民営化の時によく目にしました。水道民営化を反対する意見として「水道料金が上がる」「水道の質が下がる」といったものがありました。それに対して、賛成派は、公設民営であるため、そんなことは起きないと反論しました。ところが、コンセッションを行った多くの国では水道料金が上がっています。公設民営がどうのという前に、コンセッションで水道料金が上がることは歴史が証明しているのです。さらに、水道民営化を行う理由として、水道管の老朽化がありました。だったら、設備も本来は民間が持つべきです。しかし、民間が持っているのは経営権であるため、設備を整えることはしません。つまり、推進派が理由としている水道管の老朽化はコンセッションの理由にはならないのです。
また、100歩譲って経営権を日本の企業に譲渡するのならまだ良いでしょう。しかし、水道の民営化に外資規制はありません。なので、私たちが払う水道料は不当に外国へ流れてしまうのです。
つまり、水道の民営化は嘘と欺瞞に満ち溢れているのです。

関西空港民営化

現在、関西国際空港は、コンセッション方式が採用されています。経営権をオリックスとヴァンシが共同で持っています。
2018年に台風21号が、西日本を襲った際に連絡橋にタンカーが激突しました。これにより、空港は混乱しました。そして、この復旧には非常に時間がかかりました。理由としては、オリックスとヴァンシが何もしなかったからです。というよりも、できなかったと言った方が正しいかもしれません。いずれにせよ、連絡橋の復帰には、結局国土交通省が介入しました。
この様に、経営権だけを民間に渡してしまうと、設備に関して何も責任を取らないので、いざという時に非常に動きが遅くなるのです。この点、現在の電力会社は自ら設備を敷いているため、復旧なども迅速に行います。電力会社を既得権益と叩くなら、コンセッションによる経営権の方がよっぽど既得権益です。

結論

以上がコンセッションの問題点です。
コンセッションの問題は私の杞憂とかいう以前に、実際に問題が起きているのです。PFIを始めとする民営化の流れを止めなくては、インフラという生活に欠かせないものまでが、商売に使われます。
「パンが多すぎて人々が飢える」という滅茶苦茶な世界を、日本国民が望んでいるように、私は見えます。

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