高齢者ドライバーによる事故と偏向報道

最近、高齢者による車の事故が連日報道されています。その流れから、高齢者には免許の返納が促されています。多くの人は、高齢者は運転しない方が良いと考えています。ですが、これは完全なる偏向報道です。
今回は、メディアが報じる高齢者ドライバーによる事故について考察します。

高齢者の事故は本当に多いのか?

まず、事故の割合を見たとき、高齢者の事故率は他の年代と比べて突出して高いわけではなく、むしろ一番高いのは20代です。損害保険の掛け金が一番高いのが20代なことからも、事故率が最も高いのは20代であると言えます。
高齢者ドライバーによる事故は決して多くはないのです。

マスコミが報道する理湯

では、なぜ人々は高齢者ドライバーの運転は危険だと感じるのでしょうか。それは、マスコミが連日に渡り報道するからです。交通事故というのは、毎日どこかで必ず起きています。その中から、高齢者ドライバーの事故だけをピックアップすれば、高齢者ドライバーの事故は多いように、視聴者は感じます。 また、高齢者が判断力が鈍るというのは事実です。この事実を針小棒大に取り上げることで、高齢者ドライバー=危険という方程式ができるのです。 この様に、高齢者ドライバーの事故だけを取り扱い、世論を誘導しています。これを偏向報道と言わずに何というのでしょう。

この事故報道に関しても、巧妙に作られています。人は全体を見せるより、一部のセンセーショナルな事例を見せた方が心が動きます。例えば、募金を集める際に、「世界中で3人に1人が貧困です」と言って集めても、効果はあまりありません。しかし「どこどこの国のAちゃんは貧困で教育を受けることが出来ません」といった様に個別の事例を出した方が効果が高いのです。
今までの事故報道も、いろいろな角度から事故を取り上げることで、より大きく衝撃的な内容とすることで、視聴者の心を動かしたのです。ですが、交通事故を個別で扱えばセンセーショナルな内容になるのは当たり前の話なのです。

今の社会は、高齢者に対してルサンチマンを煽っています。今回も、高齢者ドライバーは危険だとして国民を煽っています。都会に住まれている高齢者であれば、免許の返納も可能でしょう。しかし、田舎に住まれている高齢者には免許返納は難しいことです。もし、返納させたいのであれば、インフラを整備した上で呼びかけるべきです。

結論

今回に限らず、高齢者に対してルサンチマンを煽る報道は多くされています。
大阪都構想の住民投票の時に、若者は賛成していたが、老人が反対したので否決されたと報道されたのもその一つです。老人に対して、ルサンチマンを煽ることで都構想は良いことなのに、老人によって否決されたと印象操作できます。本来、都構想なんて議会で否決され、住民投票などする価値も無いものなのです。
何が正しく、何が間違えているのかを正確に判断するためにも、感情に流されないことが大切です。

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