ホットドック経営とコストカット

私が、昔に読んだ話で、ホットドック屋さんを経営しているおじいさんが、経営学を学んだ息子に助言してもらうという話がありました。この話では、現在の日本に対する教訓が多く含まれていると感じたので、紹介します。

繁盛していたホットドック屋さん

おじいさんは、国道沿いにホットドック屋さんを経営していました。この店には、大きな看板があり、そこには「世界で一番おいしいホットドック」と書かれていました。そのため、国道を車で走っている人は、「そんなに自信があるならば、一度は食べてみたい」と足を止めて店を訪れます。
その店では、こだわりの食材を使いホットドックを作っていました。
店内では、おじいさんの他に2人のアルバイトを雇っていました。おじいさんは基本的にはキッチンに居ますが、たまにホールに出てきては、お客さんとコミュニケーションを取っていました。
この店は、非常に繁盛していました。

経営学を取り入れて

ある日、大学で経営学を学んだ息子が、おじいさんの店にやってきました。息子は店を見て「これからの時代、こんな経営をやっていては潰れてしまう。経営は甘いもんじゃない」と言って、店の経営方法を見直すことにしました。
まず、看板は非常にランニングコストが非常にかかるとして、看板は無くすことにしました。次に、食材に関しては、原価は低い方が良いと、安い食材に変えました。そして、バイトは2人ではなく1人とし、その分、おじいさんはキッチンに専念するようにと助言しました。
そして、数日後おじいさんは息子に「本当に経営は甘くないな。客が一人も来やしない」と言いました。

看板がないため、新しい客は付きません。食材が安価となり、味が変わってしまい、今まで店の味が好きだった客は離れてしまいます。また、味以外にも、おじいさんとの話を楽しみに来ていた客も、いなくなります。これが、客がいなくなってしまった理由です。

結論

以上が、ホットドック屋さんの話です。
今回の話では、一見無駄に見えることでも、実は非常に意味があることだという教訓でしょう。今回の話で、経営学がおかしいという気はありませんが、最近の経営者のマインドは、おじいさんではなく息子に近いでしょう。
コスト削減を第一に考え、安かろう悪かろうの製品を作ります。これでは、消費者は幸せにはなれません。その結果、自分自身の首も絞めることにもなります。また、政府の支出に関しても短期的な成果を求め、無駄とされるものを削減しました。その結果、日本の経済力、技術力は低下してしまいました。
今日本が、この様になってしまった原因は、偏にデフレだからです。デフレスパイラルから抜けない限り、まともな経営は行われないでしょう。そして、そのデフレスパイラルから抜け出すには、政府がまともな政策を立てなくてはなりません。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする