無駄な産業

「政府が財政拡大をすることには賛成だが、
無駄な産業にはお金を出すな」
こういった主張が最近増えました。
MMTを否定していた人が、
否定できなくなって行き着いた批判です。
これは、非常に選民的で危険な思想です。

何が無駄

無駄な産業があるのかないのか、
という話であれば無駄な産業はあるでしょう。
しかし、何の産業が無駄かは、
人が勝手に決められるものではありません。
「無駄だと思っていたものが実は必要だった」
なんて話はよくあることです。
建設業なんかは一昔前までは目の敵にされていました。
しかし、災害大国で森林が多くある日本において、
土木建設が必要なことは火を見るより明らかです。
それに、一度廃れた産業は復活に時間がかかります。
現在、アメリカでの木材需要が高まったことで、
日本では木材が不足しています。
日本では林業が廃れてしまったため、
非常に混乱しています。
林業を復活させればいいと簡単に言う人もいますが、
林業の復活には最低10年は必要と言われています。
この様に何が無駄で何が必要かは分からないのです。

選民思想

「無駄な産業にはお金を出すな」
この主張を表立って行っているのは、
資本家や金お持ちの連中です。
彼らは自分が安全圏に居るから、
無駄は切り捨てろと言えるのです。
無駄だと言われた産業で働く人の気持ちは、
一切考えていません。
それに同調する人も、
自分の働いている産業は無駄ではないと考えています。
しかし、資本家や金持ちはいずれ、
あなたが働く産業を無駄だと言って切り捨てます。
その時、反対してももう遅いし、
あなた自身も同罪です。

結論

「無駄な事には金を出すな」
これはバブル期の過剰投資などがあった、
インフレ期であるなら成り立ちます。
しかし、今の日本はデフレです。
無駄かどうかの議論は、
インフレ期にすればいいのです。
今この状況で無駄がどうのと言っている人は、
皮算用している愚か者であり
選民思想をもつ危険人物です。

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