デフレでも経済成長した

デフレでも経済成長した

デフレでは経済縮小するというと、
「2002年から2006年までの間、
輸出が好調で経済成長した」
との反論がきます。
これについて、説明します。
また、この記事は3部作の1つです。

国内状況

この時期、実質GDPは大きく成長していました。
しかし、名目GDPはあまり成長していません。
つまり、デフレの状況だったのです。
この状況で、国民が豊かであるなら、
デフレ礼賛者の言うことは正しいのでしょう。
しかし、この時期の実質賃金、
労働分配率は低下していました。
この時期は、格差拡大の時代立ったのです。
これでも、デフレがいいと言えるのでしょうか?

輸出するならデフレが良い

輸出主導で経済成長すれば、
新興国との賃金争いが起きます。
所謂「底辺への競争」です。
これが、賃金低下の原因です。
また、日本国内がデフレであれば、
「実質為替レート」は下がり、
より輸出が有利となります。
こうなれば、国内消費は減り、
国内経済は疲弊します。
輸出主導のみの経済成長は、
国内にとってはマイナスなのです。

長くは続かない

デフレ下でも輸出主導による経済成長は、
確かに起こりえますが、
それはあくまで一時的なものにすぎません。
この時期はアメリカは住宅場部のため、
円安ドル高だったため、
輸出が好調だったのですが、
この状態は長くは続きません。
事実、この先は語るまでもありませんが、
住宅バブルが崩壊し、
日本のGDPは大きく後退しました。
もし仮にバブルが崩壊しなくても、
経常収支の黒字が続くと円高圧力がかかります。
そうなれば、輸出は不利になり、
結果、経済は再び元に戻ります。
それに、自由貿易をはじめとする、
グローバル経済は、
アジア通貨危機やリーマンショックといった、
経済危機を引きを超す原因です。
何度も言いますが、輸出主導のみによる経済成長は、
一時的なものにすぎません。
その証拠に長期で見れば、
2000年から現在のGDPは1.1倍にしか増えていません。

結論

デフレで、経済成長することなどあり得ません。
一時的に成長しても、それは長く続きません。
それどころか、大きな経済後退を招きます。
これを理解しないで、実質GDPだけを見ているから、
主流派経済学は終わっているのです。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする