日本再興論2

以前日本再興論という記事で、
日本に蔓延する奇妙奇天烈な妙策を紹介しました。
今回も同様に、摩訶不思議な戦略を紹介します。

この記事を書こうと思った理由

今回、この記事を書こうと思ったかというと、
最近話題の書籍が、まさに珍妙な内容だったからです。
しかし、書店では平積みされ、ネットでも話題となり、
この書籍の評価が高いのが現実です。
その書籍の名前は伏せますが、
この内容が世間で周知されればそれこそ日本は再興できません。
この書籍が国民に支持されるのは、
多くの国民が経済について勘違いがあるからです。
今回は、この書籍の批判ではなく、
国民の勘違いについて言及します。

企業の成功が日本の成功

企業の成功は、日本の成功だという勘違いです。
ここでいう企業とは、大企業の事を指します。
大企業の利益だけを考えた時、
資本を海外に移した方が経済合理的です。
しかし、結果として日本の技術は衰退し、
実質賃金が低下しデフレが加速します。

また、輸出産業が伸びれば日本は復活すると考える人もいます。
輸出を行っている企業の殆どが、大企業であることから、
この考えも、大企業の成功が日本復活の道だという考えとなります。
しかし、この考えもやはり大きく間違えています。
なぜなら、ITバブルの時期やアベノミクスで円安誘導した時に、
日本の輸出は伸びました。
しかし、日本のデフレは止まりませんでした。
輸出が伸びても、日本経済は復活しません。
対外純資産世界一の日本がデフレである以上
「輸出が伸びれば経済が良くなる」
というのは根本的な間違いなのです。
大企業の成功=日本の成功ではないのです。

社会保障費が国を圧迫する

「日本は社会保障費が多く、
それが日本の経営を圧迫している」
多くの人が聞いたことのある、話でしょう。
そこから
「社会保障費を削り、他の予算に充てれば日本は再興する」
なんて結論が出てくるのは至極当然でしょう。
しかし、これはそもそもの前提が間違えています。
社会保障費は、日本の経営を決して圧迫していません。
もし、他国と比べ日本の社会保障費の割合が多かったとしたら、
それは、他の予算が少ないだけです。
政府の予算は国債の発行で賄うことができます。
国債の発行にはインフレ率で上限を決めているため、
無限に発行できるわけではありません。
ですが、日本はデフレなので国債の発行余地があるのです。
政府が、新規国債を今以上に発行し、政府支出を増やすことが、
日本再興の道です。
予算配分を見直すことが、日本再興の道ではありません。

日本は技術を開発しない

政治的問題

「日本は今まで、技術の先駆者になったことはない」
多くの人がそう思っていることでしょう。
それは間違いです。
かつて日本は、TRONというOSを開発しました。
このTRONはIoTまで考えられた、かなり先進的なOSだったのです。
しかし、政治的な圧力でTRONは潰されました。
日本に先進的な技術を開発していないように見えるのは、
日本の政治的発言力が弱いからです。
これを改善しない限り、
日本から世界に羽ばたく新しい技術は生まれません。

インフラ

「そんな中でも、現在のITサービスを利用した、
新しい技術やサービスが日本から生まれるかもしれない。
それなら、他国に邪魔されることもない」
こう考える人もいるでしょう。
これは実現するはずもない話です。
ITのプラットホームは、IT分野のインフラです。
つまり日本は、インフラを他国に握られた状況なのです。
インフラを他国に握られている状況で、
まともな技術やサービスが生まれるわけもありません。
よしんば生まれたとしても、その技術は世界に羽ばたくのでしょうか?
インフラを握られているのです、羽ばたくはずもないのです。
「新しい技術は生まれないし、奇跡的に生まれてもそれは潰される」
それが、インフラを他国に握られた国の末路です。

結論

以上が日本に蔓延る勘違いです。
今回の記事から、日本再興のために本当に必要なことは
「公共事業を増やしインフラを強化する」
だと理解できるはずです。
これは、デフレ脱却のために歴史的に行われている王道手段です。
そんな基礎を無視した再興論など聞くに値しません。

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