GDPと金融資産

現在の名目GDPと金融資産との間に大きな乖離があります。
1980年頃までは一致していましたが、
その後金融資産が名目GDP以上に大きくなり、
今では金融資産は名目GDPの4倍となっています。
これは、バブルの原因となり、非常に危険な問題です。
今回はこれについて解説します。

オリーブの木

オリーブの木はこの話題をしばしば取り上げます。
この問題を解決するために、オリーブの木は金融資産課税を訴えています。
私自身は金融資産課税については反対の立場をとっていますが、
金融資産課税は問題の解決になる可能性はあります。
そんなオリーブの木ですが、MMTを批判し財政拡大を反対しています。
財政拡大なくしてこの問題は決して解決しません。

新自由主義

金融資産と名目GDPの乖離が起きはじめた1980年頃から、
ミルトンフリードマンによる、新自由主義が始まった時代です。
それ以前はケインズ経済学をもとに経済政策が行われていました。
ここから、金融資産と名目GDPの乖離は新自由主義が原因だと考えるべきです。
では、この新自由主義がこの様な結果をもたらす理由を説明します。

自由貿易で経済は縮小する

自由貿易によって経済は発展すると考える人が多くいますが、
因果関係が逆で経済発展したから貿易が盛んになるのです。
産業革命以前、イギリスは自国の繊維産業を守るため保護主義をとりました。
産業革命により、イギリスの経済は発展しました。
例にもれず繊維産業も発展し、イギリスは自由貿易を行いました。
その結果、インドを植民地にすることができたのです。
他にも、第二次世界大戦以前も自由貿易を行った国も産業は衰退し、
保護主義をとった国は経済発展しました。
新自由主義により、自由貿易を行えば経済成長はなかなか起きません。

政府支出で解消

ケインズ経済学をもとに経済政策を行われていた時代は、
なぜ金融資産と名目GDPが一致していたのでしょう?
それは、金融資産に投資するより、
実体経済に投資を行った方が得だからです。
なぜなら、ケインズ経済学は政府支出によって有効需要を増やし、
経済成長を促します。
その結果、経済成長率(g)が資本収益率(r)よりも高くなるもしくは一致して、
名目GDPと金融資産が一致していたのです。
これは、トマ・ピケティも「21世紀の資本」で言及しています。

問題解決

オリーブの木はMMTと財政拡大を批判します。
しかし、MMTも財政拡大もケインズ経済学の考えを引き継いでいます。
1980年以前は財政拡大でうまくいっていたことを認めているのに、
MMTを批判する。
結局オリーブの木は小さな政府を望むグローバリストなのです。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする