恐慌を恐れ恐慌になる

恐慌とは文字通り、人々が恐れ慌てることです。
人々が恐れ慌てた結果、世界中が混乱します。
つまり、恐慌を恐れる結果、恐慌となってしまいます。

合成の誤謬

世界的に経済が縮小し、どんどん景気が悪くなっていたとします。
そんな状況で人々はどんな行動に出るでしょう?
多くの人が、恐慌に備えて貯蓄を始めることでしょう。
しかし、貯蓄をすることでより経済は縮小します。
その結果、本当に恐慌が訪れてしまうのです。
この様に、一人ひとりで見た時は正しい行動だとしても、
全体で見たら、間違えた行動となることを合成の誤謬と言います。
人々が、必要以上に恐慌を恐れた結果、恐慌とりるのです。

恐慌は恐れなくていいのか?

「恐慌を恐れることはない」と言いたいところですが、
恐慌となる時はそれなりの理由があり、人々は恐れ慌てるのです。
今回はウイルスで、経済を縮小せざるを得ない状況となっています。
そんな中、人々に恐れるなと言っても、土台無理な話です。
しかし、恐怖を和らげる方法は存在します。

政府の役割

人々の恐怖を和らげる存在は、政府です。
経済が縮小している状態で、政府が縮小した分支出を行えば、
人々は経済恐慌に対しての恐怖は和らぎます。
つまりは、積極財政に打って出なくてはいけないのです。
過去の歴史からも、これが正しいことは証明できます。
世界恐慌の時は、日本では高橋是清の積極財政、ドイツの公共事業拡大、
アメリカのニューディール政策で各国は恐慌を切り抜けました。
最近の話になると、リーマンショックの時に、
アメリカは「グリーンニューディール」で乗り切りました。
グリーンニューディールは、環境問題に注目されましたが、
その中身のほとんどが従来の公共事業です。
この様に、恐慌の時は政府が積極的に動かなくてはなりません。

今の日本

今の日本では、政府が積極財政を行う気がありません。
20年デフレを放置したのですから、それもそのはずです。
今にも恐慌が起きそうな状況でも、補正予算は議論の段階で、
消費税に関しては下げる意思はないと表明しています。
こんなことでは、国民を守ることはできません。
国民を守る意思のない政府は、政府ではありません。
戦前の日本を暗黒の時代だと考える人がいますが、
戦前の日本は、恐慌に対し適切に対処して、
世界で一番早く恐慌を脱しました。
今の話を聞いても、戦前より今がましだと言い切れるでしょうか?

結論

恐慌は人々が恐れ慌て結果です。
その恐れを取り除くのが政府の役割です。
今の日本政府にその意思が全くありません。
国民自身が、恐慌の乗り越え方を知らない事にも原因があります。
経済や歴史を学び、政治に関心を持たなくては、
この恐慌を乗り越えることはできません。

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