「グローバリズムはリベラルで、ナショナリズムが保守的」
というのが一般的な認識でしょう。
ですが、そうでもないというのが私の考えです。
私がそうでもないと考える理由をしまします。
保守思想の特徴
保守思想とは、従来の伝統や考えなどを尊重し、
急激な改革に反対する思想です。
そのため、一度定着した考えや習慣を変えることが難しい特徴を持ちます。
新しいことを受け入れることが、苦手だと言い換えることもできます。
この特徴から
「保守思想を持つと、ネットなどの台頭によって起きた、
グローバルな流れを受け入れられない」
と考え、ナショナリストは保守的だと結論に至りそうです。
しかし、これは本当に正しいのでしょうか?
伝統文化は日々革新している
伝統を守るということは、革新をすることと表裏一体です。
伝統文化は、今までの習慣や方法をそのままにしていても、
時代の流れについていけず、廃れてしまいます。
時代により、技術が進化したり、ニーズが変わったりするので、
伝統文化も日々進化が必要なのです。
事実、多くの伝統文化や老舗では常に革新的な商品を出すなど
様々な革新を行っています。
歌舞伎も伝統を守る一方で、時代を取り入れる工夫を行っています。
伝統を保守するというのは、保守思想だけではできないのです。
保守思想を持つ人は、保守するために革新するのです
グローバル思想は保守から生まれた
そもそも、グローバルという考えは革新的な考えなんでしょうか?
現在のグローバル思想は新自由主義と呼ばれ、
マーガレット・サッチャー政権から行われています。
サッチャーが首相に就任したのが1979年であることを考えれば、
新自由主義は40年続いていることとなります。
そんな、新自由主義を先導したサッチャーは保守だと言われています。
現在の新自由主義は、保守から生まれているのです。
グローバル化という伝統
グローバルという流れは、ネットから生まれたと考えている人が多数います。
先ほどの、新自由主義の説明から、それ以前からあることは明白です。
しかし、グローバル化の歴史はもっと前から存在します。
ヨーロッパ史観でいうところの「大航海時代」がその流れの始りです。
胡椒の貿易を、自由に行いたいという目的で始まり、
自由貿易の末、経済的に疲弊した国を植民地としました。
今まで、触れていない文明とも交流を行い、
現地の人々を虐殺して植民地を開拓しました。
先進諸国同士の貿易も盛んにおこなわれ、
まさにこの頃に、グローバルな時代となっていったのです。
なので、グローバル思想は500年続く伝統なのです。
伝統を壊せないのはどっち?
さて、ここまでの解説をしたうえで、話を初めに戻します。
「グローバリストとナショナリストはどちらが保守的ですか?」
ナショナリストは、伝統を守るため革新します。
グローバリストは、グローバル化という習慣を壊せません。
グローバル化という習慣は正しく、壊せないと考えるグローバリストは、
本当に革新的ですか?
私には、グローバリストこそ頭の固い保守にしか見えません。
結論
グローバル化を全て批判しているのではありません。
しかし、今現在グローバル化による弊害が大きく
ナショナリズムに転換していく必要がある状況です。
この状況でグローバルだと叫び続けても、
世の中がいい方向に進むわけがないのです。