経済効果とは

経済効果という言葉を、最近は間違えて使われていると感じます。
例えば、ハロウィーンというイベントは、最近日本で規模を大きくしています。ハロウィーンの規模が大きくなったことで、いろいろなトラブルが起きました。その際の意見で「トラブルに関しても対処しなくてはならないが、経済効果も大きいので、続けた方が良い」というものがありました。私の考えでは、ハロウィンの経済効果などさしてないと考えています。
今回はその理由を説明します。

経済効果とは

そもそも、経済効果とは新規の需要に対して、連鎖的に需要が誘発されることで経済規模が拡大することです。確かに、何らかの事象によって起きる需要量から算出される合計金額の事も経済効果と言います。後者は単純に誰がいくら儲かったというだけです。つまり、お金が右から左へ流れただけなのです。
では、先ほどのハロウィンの場合はどうでしょう。ハロウィンのために生産性の向上は行ったのでしょうか?行ってはいません。今の日本では、ハロウィンのために設備投資をしたところで、ハロウィンが終われば必要なくなります。なので、ハロウィンは単純に右から左にお金が流れただけなのです。つまり、経済効果という理由で続ける必要はないのです。

お金が一か所で滞ると

経済効果と銘打って一か所にお金が集中することは危険です。
インフレで設備投資をしなくてはいけない状態ならば、お金が集まっても投資という形で使われます。デフレならば、集まったお金を溜め込んでしまいます。通貨の価値が上がるデフレ下ならば、貯蓄をする方が経済合理的だからです。なので、一か所にお金が溜まれば、フローの総和が減り、経済全体で見た時には経済は縮小してしまいます。早い話が、貯蓄のパラドックスです。

GDPは伸びるという反論

ハロウィンなどで、お金が流れればGDPが増えるという意見もあります。
それは一理ありますが、ストックは増えていません。
フロー(GDP)は結局どこかでしわ寄せがきて、さして増えないのです。
また、上記したようにお金が一か所に集まると、結果としてフローが減るため、GDPは伸びないのです。

結論

以上が経済効果の説明です。
デフレでなければ、こういったことも経済的成長につながるのでしょう。
ですが、デフレではその効果も大して期待できないのです。
フローが増えるためには、ストックも増えていく必要があります。
ストック、フローを増やすには財政拡大が一番効果的です。

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