内部留保とMMT

このサイトではMMTについて多くの記事を取り上げています。
今回は、とあるサイトで「財政拡大も結構だが、内部留保がデフレの諸悪の根源で、そこを解消しないと景気は回復しない」といった意見を目にしました。
今回は、この意見について考察します。

内部留保の問題

まず、内部留保が問題なのかどうかを考えます。
現在、内部留保が膨らんでいる理由は、投資や賃上げを行っていないからです。そのため、お金が一定の場所に集まり、経済が停滞してしまいます。そのため、内部留保が増えることでデフレは加速します。なので、内部留保が問題なのは事実でしょう。
では、なぜ企業は内部留保を溜め込むのでしょう。それは、デフレだからです。デフレ下では、投資を行っても需要が少ないので企業にとっては不利益です。また、通貨の価値は上がるため、資金は貯めた方が経済合理的なのです。
以上から、内部留保が多いからデフレになったのではなく、デフレだから内部留保が多いのです。つまり、インフレとなれば企業は内部留保を吐き出すのです。

財政拡大

では、デフレ脱却のためには何をすれば良いのでしょう。それは、政府が財政拡大を行えば良いのです。そうすれば、需要が創出され、資金は市場に供給されるのでインフレに向かいます。そうなれば、企業も投資を行い、賃金も上昇するでしょう。つまり、景気回復には財政拡大が一番の薬なのです。

「財政拡大も結構だが、内部留保がデフレの諸悪の根源で、そこを解消しないと景気は回復しない」 という意見は現在の日本政府の考え方そのままです。それは、政府は財政を出さず、民間に経済を任せている所です。デフレの責任を政府ではなく、民間に押し付けている点でこの考えも緊縮財政と同じ路線の考え方なのです。

結論

以上が内部留保とMMTの考察です。
内部留保が今の経済を悪くしていることは否定しません。
ですが、正しく因果関係を理解しなくては今必要な政策が見えてきません。

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