現代技術とロックイン

今の社会は、技術が発達して、非常に便利な世の中だと考えている人が多いと思います。もちろん、何かしらに不便を感じているのも確かでしょうが、基本的には、便利であると考えているはずです。
今回は、この便利な現代技術と私たちの関係について考察します。

昔には戻れない

まず、今ある技術をすべて捨てろと言われたら、捨てることはできるでしょうか。ほとんどの人が、出来ないと答えるはずです。では、技術の一部を捨てろと言われたら、捨てることはできるでしょうか?例えば、スマホを手放せと言われて手放せるでしょうか?おそらく、こちらもほとんどの人が無理だと答えます。
しかし、考えて欲しいのですが、ほんの10数年ほど前には、スマホはありませんでした。人は、スマホがなくても生活が出来ます。何より、スマホがない頃の人々も、その時代を便利だと感じていました。
つまり、技術が新たに入れば昔の状態に戻ることはできません。
新しい技術が導入されたばかりのころは、とても便利に感じるでしょう。しかし、それが当たり前の状態となれば、新しい技術なしでは生きていけなくなってしまいます。つまり、現代人は現代技術にロックインされているのです。

思想が追い付いていない

現代人は、現代技術にロックインされていると説明しましたが、何が問題なのかと考える人が多いと思います。ロックインされていること自体は、大きな問題だとは考えていません。ですが、発達した技術に人々の考えがついていっていないことが問題だと考えます。

なぜ技術を求める?

人々はなぜ、便利な技術を求めるのでしょう。おそらく、自由を得る為ではないでしょうか。ですが、世の中が便利になるほど人は忙しくなっています。
例えば、東京から大阪までの所要時間は、3時間程です。昔は6時間かかっていたとします。ここで、生じた3時間を人々は、余暇に充てるでしょうか。もしくは1時間程を余暇に充てますか?充てる人はいません。移動時間は、ある程度の制約はありますが、ある意味、自由な時間です。つまり、技術が発達したことによって生まれた3時間分人々は忙しくなったのです。最近では、通信技術が発達したため、電車の中でも仕事をしている人が多いでしょう。
この様に、便利な技術によって人々は、自由を失っているのです。しかし、技術を捨てることはできない。このジレンマこそが、問題だと考えています。

現代技術はここ数百年で一気に成長しました。 そのため、人々の考え方は、技術についていけてはいません。考え方は、鋤や鍬で農業をしていた時のまま止まっているように感じます。
これからも、技術は加速度的に進化します。考え方を変えなくては多くの人が幸せにはなれないでしょう。

結論

このジレンマを解消するには、私たちの考えを変えていくしかありません。
もちろん、中にはうまく利用している人もいます。
労働と余暇についての考えはいろいろとあります。ですが、そういった意見に技術と自由について考えているものは少なく感じます。
これから、技術が進むにつれ、自由とは何かを考える必要があると考えます。

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