OMF

OMFはovert monetary financingの略で、日本語に訳すと明らかな貨幣供給です。
税金国債の記事で、政府の財源は国債だと書きました。しかし、政府は国債を発行しなくても財源を確保することが出来ます。これをOMFといいます。
今回は、OMFについて説明します。

予算はどこから来るの?

日本政府が予算を組む時、税金は手元にありません。それもそのはずで、その年の税金は翌年の2月から3月の確定申告時に入ってきます。なので、予算作成時に手元に税収があるわけがありません。では、どのようにして資金を調達するのでしょう。

政府短期証券

日本政府は、政府短期証券発行して、日銀に持ち込み日銀当座預金を発行してもらいます。その後政府は政府小切手を発行し、公共投資や社会福祉を行います。
その後、政府小切手を企業が市中銀行に持ち込み銀行預金が発行されます。
市中銀行は、政府小切手を日銀に持ち込み、政府の日銀当座預金を市中銀行の当座預金に振り替えます。
日本政府と日銀は統合政府の考えで、連結決済を行えば政府には借金が残りません。つまり、政府は借金することなく、予算を執行することが出来るのです。

直接引き受け

気付いた方もいるかもしれませんが、この構造は国債の日銀による直接引き受けと同じような構図になっています。
日銀の国債の直接引き受けが禁止されている理由は、政府が節度を失くしてしまい悪性のインフレが起こるからだとされています。この理由は、財政民主主義の否定でおかしいことなのです。そして何より、日本は20年間デフレです。インフレにはなっていません。このことから、日銀の直接引き受けが禁止されている理由は他に有るということです。

結論

以上がOMFの内容です。
この様に、最初にまず支出があるという考えをスペンディングファーストと言います。
政府は何をするにしても財源はどうするという話になります。しかし、今回の話を知れば、財源など気にする必要がないことが分かるはずです。こんなことを言うと、必ず反論として「政府は無限にお金を発行できるのか」と言われます。確かに、そんなことをしたら、悪性のインフレを起こします。ですので、インフレ率を考慮して国債の発行を行う必要があります。ですが、この反論は、そもそも財政民主主義の否定でしかないので相手にする必要もありません。
他には「税金は取る必要がないのか」という話も出てきます。経済の事だけを考えれば取る必要はありません。なので、デフレの日本では理論上、無税国家が成立します。しかし、税金にはいろいろな役割があるため徴税する必要はあります。詳しくは税金を参照ください。

まとめ

OMFを知れば、日本で行われている議論が馬鹿々々しく感じます。
皆さんも財政に関して正しい知識を身につけ、政治に参加する必要があると思います。

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