最近、消費税を上げるのかどうかの議論が盛んにおこなわれています。
その理由は主に社会保障費の高騰による、財源の確保でしょう。
しかし、税収は財源ではありません。その詳しい説明は税金を読んでください。
財源の話は置いておいても、この消費財は経済を失速させる恐ろしいものです。
今回はこの消費税がいかに恐ろしいものなのかを説明します。
税金とは、税を掛けた対象を抑制させる効果があります。例えば、酒税ならば飲酒を抑制する効果があります。つまり、消費税は消費を抑制するのです。
GDPは生産と支出と所得がイコールとなります。この支出が消費税によって減るわけです。そうなれば生産と所得も減ります。消費税により支出が減ってそれにより所得が減るのでまた支出が減ると負の連鎖が続きます。
この様に、消費税は経済を大きく失速させるのです。
次に消費税は安定財源であるということです。
消費はすべての人が必ず行う行為なので確実に税金を取ることが出来ます。
本来、税金はビルトインスタビライザーです。経済が好調な時はたくさん取り、景気が失速しているときはあまり取らないといった具合に調整されなくてはなりません。なので、安定して税を取れるということはこのビルトインスタビライザーの機能が小さいということです。
さらに、消費税は逆進性があります。
先ほどのビルトインスタビライザーの話と似ていますが、税金には富の再配分という目的があります。なので所得税は累進課税です。
しかし、消費税はその逆です。なぜなら、所得に対する消費の比率である平均消費性向が、所得の量と反比例するからです。つまり、所得が低い人は所得のほとんどを消費するが、所得が高い人は所得の一部しか消費に使わないので多くを貯蓄に回せます。
この様に消費税は本来の目的と反対の効果を出すのです。
消費税には仕入税額控除というシステムが取られています。
これは、納付の消費税は売り上げの消費税から仕入れの消費税を引いた額だということです。
例えばA社がB工場に1000円でペンを仕入れたとします。この際A社は80円の消費税を払います。Cさんはこのペンを1500円で買いました。ここで、Cさんは120円の消費税を払います。この時にA社が収める消費税は40円となります。これが仕入税額控除となります。
この仕入税額控除には外注や派遣も含まれるため消費税が上がれば企業は派遣を雇います。
この様に、消費税を上げれば派遣労働が増えるのです。
消費税に関してはごまかすことが難しいという意見もあります。消費税は売り上げが1000万円以下だと免除されます。ですが、売り上げはごまかすことはかなり困難なため、ごまかしにくくなっています。
しかし、法人税対策に経費などが使うことで、経済を回している側面があるため、ごまかせないことに特段意味はありません。むしろ、ごまかせない上に税率が等しいことから、ここでも逆進性が働きます。
つまり、ごまかせないことは大きなメリットではありません。
以上で、消費税がいかにおかしなものか、わかっていただけたと思います。
よく、消費税は安定しているからいいと言われますが、安定財源であるから良くないのです。
今、日本中では消費税増税やむなしの空気が流れています。しかし、増税してしまえば日本は滅茶苦茶になってしまいます。
事実、2014年の増税時はGDPは下がりました。その下げ幅はリーマンショックや東日本大震災に匹敵するものです。さらに、リーマンショックや東日本大震災の後はGDPは回復しましたが、増税後は回復しませんでした。
消費税を増税するのはあまりにも間違えていると人々は気付くべきです。