資本主義と民主主義の親和性

民主主義と資本主義に関してセットで語られることは多く、
このどちらに対しても疑問を持つ人は少ないでしょう。
しかし、資本主義と民主主義は非常に親和性が悪いのです。

金持ちがより金持ちに

資本主義は金持ちがより金持ちになる仕組みです。
これについてはトマ・ピケティが20世紀の資本で指摘しています。
ですが、これは少し考えれば当たり前の話で、
資本主義は資本を投入することで生産性を上げ、
経済を発展させる経済モデルです。
つまり、資本に投資できる人間はより所得を得ることができるのは、
いたって当然の事なのです。
労働者も生産性が上がれば所得は増えますが、
資本家に所得が握られている以上、
資本家ほど所得は向上しません。
資本主義は格差が拡大するシステムなのです。

民主主義

民主主義は国民が主権を持ち、
政治に参加するシステムです。
民主主義は多数決というイメージが強いですが、
話し合いという側面も大きいのです。
議論するにおいて、
各々がある程度共通の価値観を持っていなければ、
そもそも議論は成立しません。
なので、国家という共通認識が無ければ、
民主主義は成立しないのです。

格差と民主主義

では、格差が拡大した状況で議論は可能なのでしょうか?
確実に不可能です。
所得が高い人間は所得の低い人間は、
努力が足りないなど見下し、
所得の低い人間は所得の高い人間に対し、
ルサンチマンを高めます。
こんな状況で民主主義などできるはずがありません。
民主主義を運営するには、
格差は大きな支障となるのです。

資本主義と民主主義

資本主義は格差を拡大するシステムであり、
格差が大きい状態では民主主義は成立しない。
以上の事から資本主義と民主主義は非常に親和性が悪いと言えます。
では、どちらかをやめるべきなのでしょうか?
それは人それぞれ答えがあるのでしょうが、
私はそうとは考えません。
なぜなら、どちらもそれ以上にいい仕組みを人類は見つけていないからです。

結論

多くの人が資本主義の矛盾や、
民主主義の危うさを指摘します。
この問題を解消するため、
社会保障が生まれました。
社会保障は民主主義運営のため、
なくてはならない存在なのです。
社会保障を否定する人は、
民主主義を否定しているのです。

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