分離課税

日本では所得税は累進課税を採用しています。
その理由は富の再分配という目的からです。
しかし、実情は累進課税がうまく行われていません。
その理由は分離課税にあります。
今回は、分離課税について考察します。

累進性は平等

累進課税を行っている限り、所得が上がるにつれて税負担率が上がっていきます。これについて不平等だという人も多くいます。ですが、年収200万円の1割と1000万円の1割では、税の重みが全く違います。なので、収入の低い人は税率を低くし、年収の高い人は税率を高くします。富の再分配が目的と先に書きましたが、こちらの方が理由としては大きくあります。なので、全ての人に同じ税率をかける消費税は、所得の多い人ほど得をする徴税なのです。

累進性が機能していない

税の負担率は累進性で決まっていると説明しましたが、実はその通りになっていないのが現実です。年収が1億をピークに負担率は下がっていきます。その理由は分離課税にあります。所得税の最高税率は45%なのに対し、株式等譲渡所得(キャピタルゲイン)や配当、債券、預金の利子などの金融所得に対しての税率は20%なのです。この様に、所得の種類によって税率が変わるため分離課税と呼んでいます。年収が1億を超えたあたりから負担率下がるのは、金融所得が多くなり負担率は小さくなるからです。

分離課税の弊害

このことについてどう感じますか?不公平だと感じますか?累進性がちゃんと機能していないと感じますか?それとも金持ちはうまく資産を守っていると感じますか?色々な感じ方があるでしょう。分離課税について批判的な人は金融資産に課税をしろと言う人がいます。ですが、資産に対して課税をするのは私有財産権の侵害に当たるため、ありえません。キャピタルゲインに関しては、こちらも累進性にすべきだと私は考えます。キャピタルゲインの税率を上げれば投資が減り経済が回らないという意見もあります。ですが、現状株主が短期の利益しか見ていないことから格差は拡大しイノベーションも起きなくなりました。そして何より、投資は政府が積極的に行えば何も問題にはなりません。今の個人投資家に投資を任せきっている現状が問題の本質なのです。

結論

以上が分離課税の説明です。
お金を稼いだ人が多く税金を払うのは不公平だと考える人は多くいます。ですが、徴税自体がお金持ちのためのシステムです。税金は金持ちのためでそれについて説明しています。多少の抜け道があるのは仕方ないことだとも考えています。ですが、今の状況は政府が投資をしていない事とも関係しているため現状を少し変えていく必要があると考えます。

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