ヴォルテールは18世紀に活躍した哲学者です。彼は啓蒙思想の代表思想家です。啓蒙とは、多くの人に知を広げることで、啓蒙思想はそれを是とする考えです。
そんな、ヴォルテールの名言に「私はあなたの意見に反対だが、あなたがそれを主張する権利は命をかけて守る」というものがあります。
今回は、この名言について考察します。
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民主主義と多数決
この名言は間違いなく民主主義においては、なくてはならない考え方です。多くの人は民主主義を多数決だと考えていますが、それは正確ではありません。民主主義とはあたゆる意見をまとま、より良い考えを出す考えです。意思決定や議論の際、確かに多数決の結果は考慮されます。最終的には、多数決で決められることもあります。ですが、多数決は民主主義の本質ではないのです。
反対意見の大切さ
反対意見を主張する権利を命を懸けて守るということは、言論の自由を保障するということです。今の日本にも、言論の自由は存在します。ですが、近年言論の自由は脅かされていると感じます。とある主張に反対がある場合、その意見を感情論で潰そうとする人が多くいます。これが個人であるならそこまで問題は大きくありませんが、最近は国家単位で行われています。
自分と違う主張をする人は必ずいます。ですが、反対の意見は今の自分の意見をより高みにする機会です。反対意見を聞くことで、同じ事象でも別の視点から見ることができ、さらに高い次元で考えることができます。自分の意見と反対の意見から、考えをを昇華させることを中庸といいます。中庸とは真ん中という意味ではないのです。
結論
以上がヴォルテールの名言の考察です。
18世紀の名言ですが、21世紀の日本で非常に意味のある言葉に感じます。
人間は300年経ち、科学技術が進歩しても、精神は進歩していないと思います。
技術と精神のギャップが、現代人を悩ます大きな原因だと、私は考えます。