固定為替相場制

固定為替相場制とは、国家間の通貨レートを固定させる為替レートです。
現在の日本では、変動為替相場制を採用しています。
日本は外貨を稼がなくてはならないで固定為替相場制について軽く説明しています。
今回は固定為替相場制について、掘り下げて説明します。

固定為替相場の国家

現在、固定為替相場制を採用している代表例はEUのユーロです。ユーロという共通の通貨を採用することで、EU内での経済を自由に活発に行うことが目的だとされています。しかし、固定為替相場制を採用し、自由な資本の移動をする際、独立した金融政策を行うことはできません。ギリシャは財政危機の際、財政拡大を行えず、結局デフォルトしました。固定為替相場制と自由な資本の移動は、多くの場合セットで存在します。そのため、固定為替相場制は各国の自由な金融政策、つまり、主権を取り上げてしまうのです。これについては国際金融のトリレンマでも説明しています。

日本はかつて固定為替相場だった

過去に日本とアメリカの間でも固定為替相場制が採用されていました。この2か国はお互いに独自の金融政策を行っていました。そのため、資本の自由な移動は制限されています。なぜなら、経常収支が赤字の場合、政府は外貨準備を崩し為替を安定させなくてはなりません。もし、政府が十分な外貨準備を保有していない場合、外貨建ての国債を発行しなくてはならなくなります。そのため、赤字が増えれば、国内経済が成長していても、輸入量を制限させる必要があるのです。つまり、緊縮財政を行いデフレ化しなくてはいけません。また、固定相場制を採用している国はデフォルトの可能性があります。日本は資源が無いから、外貨を稼がなくてはならないという発想は、固定為替相場制のなごりなのです。

財政拡大と為替

今回、固定為替相場制を説明した理由については「財政を拡大すれば、為替レートが暴落する」という批判に対する回答をするためです。固定為替相場制の場合、経常収支によって財政政策は制限されます。ですが、変動為替相場制の場合経常収支に経済政策は依存しません。為替レートは経常収支にも依存しているため、財政拡大によって暴落することはありません。特に、日本は世界一の対外純資産を保有しているため、円高の圧力があります。そんな国が、通貨暴落を気にするのはばかげた話です。

結論

以上が固定為替相場制の説明です。
日本は、ずっと貿易黒字を増やしてきました。それについて、否定するつもりはありません。ですが、内需拡大も考えなくては日本経済が良くなることはありません。

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