クラウディングアウト

クラウディングアウトとは、経済学者の妄想です。
政府が資金需要を国債によって賄ったら、金利が高騰して民間の資金需要が抑制されることです。
MMTを批判するときに使われる理論ですが、クラウディングアウトは完全な妄想です。
今回は、クラウディングアウトがいかに面白い理論かを説明します。

クラウディングアウトを起こすには

思考実験として、どうすれば、政府が国債を発行して、金利が減り、民間の資金需要が低下する状況となるでしょう。それは、国民の預金から政府が資金を調達した場合です。この状況なら、マネーストックは減少するため金利は上昇し、民間からの資金需要は減少します。金本位制の頃はこの様な状況でした。ですが、現在は全く違います。

国債はマネーストックを増やす

現在では、政府が国債を発行した場合、国民の預金は増加します。国債発行のプロセスについては国債をご覧ください。国債の発行は通貨発行と同義です。そのため、マネーストックは増加します。マネーストックは増加するのです。この時点では、民間の貸し出しに変化はないため、金利は変わりません。もし、この際に、増えた資金が国債マーケットに流入した場合は、国債の金利は下がります。他にも、金融政策で、日銀が国債の買取りを行えば、金利は下がります。

国債は需要を創出する

別の角度から検証すると、政府が国債を発行した場合、需要が創出されます。その場合は金利が上昇します。一見クラウディングアウトが起きているようですが、実情は全く別物です。政府が、国債発行により需要を創出したため、民間の資金需要が創出されたことにより、金利が上がるのです。
ここから分かる通り、民間の資金需要が活発なインフレ期でなくては、金利の上昇は起きません。デフレ期なら、政府が需要を創出しても、その量が十分でなければ、民間の資金需要は生まれず、金利は上がりません。
現状の日本なら、政府が財政拡大を大規模に行う必要があります。

結論

以上でクラウディングアウトが如何に稚拙な妄想であるか分かって頂けたと思います。
根本的に主流派経済学は、通貨の発行がどの様に行われているかを知りません。
主流派経済学の妄想を信じて経済政策を行っては、経済が良くなることは永遠にないでしょう。

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