就職活動のCMをよく目にします。その他にも、就活に関する本なども書店で見かけます。今回、この就職活動をビジネスの観点から考察します。
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終身雇用
就職活動というのは、非常にビジネスとなります。現状、多くの人は就活でこれからの人生が決まると思っています。そのため、就活を必死で行います。ですが、就活で一生きまるという思い込みは誰が作ったのでしょう?これに関しては、ビジネスのために人々にそう思い込ませた訳ではありません。実際に高度経済成長期からしばらくは、自分が最初に就職した企業に定年まで働くことが多数派でした。そのため、こうした考えが生まれたんのです。ですが、現在ではそういった人は少数派です。それは、そうしないのではなく、出来ないのです。最近では、企業の寿命は就労年数よりも短い企業がほとんどで、定年まで同じ企業で働くことは出来ません。なので、国民の就職に対する考え方が、同度経済成長で止まっているのです。
就職倍率
次に、就職の倍率の問題です。就職氷河期世代や、リーマンショックの時に就職活動をしていた世代は、有効求人倍率が低く競争は激化していました。そのため、多くの人が自分は就職活動で勝たなくてはならないと考えました。そこで、多くの人に就職とはこうしろといったノウハウがビジネスとなりました。大学入試の様な状態です。ですが、現在は有効求人倍率は高く、売り手市場といった状況です。今の有効求人倍率はバブル期以上です。バブル期の就活は、海外旅行に連れて行ったりと新卒を囲い込んでいました。バブルの頃とは事情が違いますが、現在の就活のシステムは状況とはミスマッチなのです。
誰が儲けているのか
就職活動で儲けている業界は衣料業界です。就活の時しか使わないスーツを買わせ儲けます。実際、有効求人倍率が低い頃の就活では必要な事だったかもしれません。ですが、現状の就活ではそんな事は関係ありません。普通に社会人になっても使えるスーツを買うべきです。そして、最も儲けいているのが、就活支援会社です。言うまでもありませんが、仲介斡旋することで儲けます。今では、就活支援会社が派遣会社を紹介すると言ったマトリョーシカの様な歪なことも行われています。
有効求人倍率は高いのに、ビジネスが成立します。なぜ、そういったことが起こるのでしょう。それは、デフレだからです。デフレによって就活生の給料は下がります。そうなれば、出来るだけ良い企業に就職したいと考えます。そうなれば、高い給与が出せない企業は人手不足となります。つまり、現状人手不足と言われていますが、実際は奴隷不足なのです。
「人手不足の企業からお金を取り、少しでも良い企業に入りたい就活生からお金を取る」というのが、今の就活ビジネスの仕組みです。
結論
就活ビジネスを見たとき、現在の日本のおかしさが見えます。
このおかしな現状を変えるためにもデフレは解消しなくてはいけません。
デフレには財政拡大が一番効果的です。今の政府が行う「小さな政府」を支持していては、変なビジネスが蔓延る歪んだ社会となってしまいます。