GDPは経済規模の指標としてよく扱われます。
しかし、GDPについてはいまいちわかっていないことが多いと思います。
実際、新聞などでも良く分からないで書いたと思われる記事も存在します。
今回はそのGDPについて説明します。
GDPの基本
GDPとは国内総生産で、国内で生産された付加価値の総額の事です。
つまり、市場で取引されないものはGDPには含まれません。
とはいえ、市場で取引されるモノの総額なので大きければ経済規模は大きいと言えます。
三面等価の原則
このGDPには、三面等価の原則があります。三面等価の原則とは生産と所得(分配)と支出(需要)の合計が同じだということです。
つまり、GDPは国内総生産であり国内総所得であり国内総支出だということです。
つまり、GDPが大きくなれば国民の所得が増えて豊かになると言えます。
さて、ここで注目してほしいのですが、生産と支出がイコールであるということです。つまり、誰かが生産しなければ支出されないのです。これはいたって当たり前のことですが、逆もまた真なりで誰かがモノを欲しがらなければ生産はされません。前者の状態なら生産よりも需要が大きいのでインフレです。後者は供給能力の方が大きいのでデフレです。
モノをたくさん作り出す能力があっても、誰も欲しがらなければ作らないのです。 この本来生産できる量を潜在GDPと言います。
支出の合計は、民間支出、政府支出、固定資本形成の合計です。
デフレ下では生産を増やすよりも支出を増やすことが重要です。
しかし、デフレ下で民間の支出を増やすことはとても困難です。
なので政府が支出を増やさなくてはなりません。
日本が行わなくてはいけないこと
現在、日本のGDPは伸び悩んでいます。
その理由についてはいろいろな意見があります。
一人当たりのGDPがかなり低いことから生産性が低いことがいけないと言われたりします。または、生産年齢人口が減少しているために起きているともいわれます。
これらの理由は、生産面しか見ていません。日本はデフレなので注目すべきは支出です。今挙げた前者に関しては、誰もモノを欲しがっていない状況で生産性を向上させるための投資など行うわけがありません。後者に関しては生産年齢人口が減るならばそもそもインフレになるので話になりません。もし、インフレになったら生産性の向上を行えば生産年齢人口が減少してもGDPは上がります。
結論
以上がGDPに関する基本の話です。
名目GDPや実質GDPなどの話もありますが、基本的にはGDPが上昇すれば経済は成長していると考えてよいでしょう。
しかし、GDPもあくまで経済指標の一つであり、これが全てだと考えるのもよくないと考えています。
先ほどの説明でGDPは市場で取引されていないものは含まれないと説明しました。これだと、ボランティアや専業主婦が価値のないものとみなされてしまいます。しかし、これらは尊いことであり必要なものなので、それを切り捨てる考えは良くないと考えます。