利子とインフレとデフレ

利子の記事で、利子はあまり良くないものだと書きました。しかし、利子を失くせるかというとかなり難しい問題になります。なぜなら、利子にはインフレ及びデフレが深くかかわっているからです。

インフレ状態での利子

経済成長には緩やかなインフレの状態で無くてないけません。また、誰かが借金をしてレバレッジをかけることで、生産性の向上を行い、インフレギャップを埋めます。
インフレはモノの価値が上がっています。なので、お金を貸したときとより、返してもらった時の方がお金の価値が下がっています。なので、利息を取らなくては貸した側が損します。これでは、誰もお金を貸しません。
繰り返しますが、経済成長は、インフレの状態で企業がお金を借りてレバレッジをかけ、生産性の向上を行うことで起きます。ここで、お金を貸す工程が無くなれば経済成長は起きません。なので、利子を取らないのは、それはそれで問題があるのです。

デフレ状態での利子

デフレ下における利子はどうなのか考えましょう。
まず、デフレ下では利子を取らなくても利子が発生します。
例えば、1000万円を無利子で借り、家を買ったとします。
そして、数年後にローンを払い終え、家を売ることにしました。
その際の売却額が800でした。
この、買った時と返したときの差額が金利となります。確かに、家を使ったことで、売却額が下がったと考えるでしょうが、デフレでは物価が下がるので、土地の値段なども下がります。なので、家を使ったから値段が下がったことは、ここでは考慮しないこととします。
この、物価の変動を計算に入れた金利を実質金利と言います。
日本の金利は安いのですが、デフレであるめ実質金利は高いのです。
さらに、デフレであればお金を使うよりも持っていた方が得です。なので、投資が活発に行われません。経済活動において、お金はツールでしかなく、インフラや商品などが本当に大切なものです。なので、お金を大切に持っているだけでは経済は発展しません。
この様に、デフレ下では利息を取っていないのに利息が発生するという歪な状況が生まれるのです。

結論

以上が、利子とインフレとデフレの関係です。
利息を無くそうにも、インフレ下では利息を取らなくては損をするため誰もお金を貸しません。そもそも、お金とは負債なので、お金を貸さなくてはお金は生まれません。デフレ下では、利息を取らなくても利息が発生するためどうしようもありません。
今現在、経済成長率より資本収益率が高く、格差が拡大しています。 資本収益率には、利子も存在します。
利息そのものが悪いわけではなく、インフレ率と金利が大きく差があることが、問題なのです。

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