MMTを批判する際に、財政拡大をし過ぎるとハイパーインフレが起きるという意見があります。また、日銀が国債の直接引き受けをしない理由も、ハイパーインフレが起きるからだと説明しています。そして、それは歴史的に学んだ知恵だとしています。ですが、政府が財政拡大をしてハイパーインフレになった歴史は存在しません。
今回は、ハイパーインフレになった国はなぜハイパーインフレになったかを説明します。
ハンガリー
ハンガリーでは1946年にハイパーインフレが起きました。その際に10垓ペンゲー紙幣が発行されるほどのインフレでした。ハンガリーでインフレが起きた理由は、共産革命により王政が吹き飛び、政府が機能しない状況だったからです。政府がいない状況では財政拡大など行っているはずもなく、ハンガリーのハイパーインフレは財政拡大とは何の関係もありません。
ジンバブエ
最近ではジンバブエのハイパーインフレが有名です。ジンバブエは紙幣を刷り過ぎてハイパーインフレになったと思っている人も多いですが、それは間違いです。根本的な理由は白人を追い出したことで、供給能力が無くなったことが原因です。その供給能力が無いのでインフレが起きている状況でムガペという独裁者が紙幣を刷ったためハイパーインフレが起きたのです。硬貨と紙幣でより詳しく説明しています。
これは、根本的に供給能力が一気に低下したことと、独裁者の勝手な政策によって起きたハイパーインフレであり、日本政府の財政拡大とは本質が全く違うのです。
日本
日本でも戦後ハイパーインフレが起きました。これは、戦争により供給能力が失われたからです。また、財政拡大だとChinaが近年財政を大きく拡大させました。ですが、Chinaのインフレ率は年間3%から4%程です。China程の財政拡大をしたところでせいぜい4%程なのです。この話からChinaは独裁者によってMMTが行われている様な状況です。
結論
以上が歴史的に見て財政拡大でハイパーインフレが起きない理由です。
他にもハイパーインフレが起きた歴史は存在します。ですが、理由は供給能力が激しく低下したことや政府が機能しなかったことが原因です。
財政拡大でハイパーインフレが起きるなんて妄想をいちいち相手にしていたら、日本はこのままずるずると没落してしまうでしょう。