日本の経済に関する議論で「日本はこれから人口が減少して内需が減っていくため、外需を増やさなくてはいけない」といった意見を耳にします。
この意見は果たして正しいのでしょうか?
日本の内需について考察します。
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人口と内需
まず、人口と需要は関係あるのでしょうか?関係はあります。人口が多い方が需要は大きくなり、少なければ小さくなります。ですが、人口は一つの要因でしかありません。仮に国民が100人のA国と1000人のB国があったとします。この場合、A国では一人当たりの需要が200だとします。B国の一人当たりの需要が10だとします。この時、国全体の需要はA国は20000となり、B国では10000となります。つまり、需要はA国の方が大きいのです。一人当たりの需要という概念も必要となるのです。
1人当たりのGDP
ここで、日本に目を向けます。日本の一人当たりのGDPは現在27位です。つまり、日本には、一人当たりのGDPを伸ばす余地があるのです。ちなみに、GDPは国内総生産と思っている人が多いですが、GDPは生産の合計であると同時に、支出の合計、所得の合計でもあります。これは、GDPとはで詳しく説明しています。
支出とは需要の事です。つまり、日本は内需を伸ばす余地が十分に存在しているのです。
日本は内需の国
次に、日本は貿易国であるという勘違いです。確かに、日本は経常収支黒字国です。なので、貿易黒字も世界的に見て、多く上げていると考えても良いでしょう。ですが、日本のGDPの内、貿易が占める割合は20%です。つまり、日本経済の80%は内需なのです。なので、日本の経済は内需によって賄われているのです。ちなみに、社会の授業で高度経済成長期は貿易によって成されたと教わりますが、実際この頃は今よりも貿易が占める割合は低いものです。なので、日本は過去の経済成長も内需によって起きたのです。日本は過去も現在も内需国なのです。そして、今後経済を成長させるとき、外需を1%増やすのと、内需を1%増やすのではどちらの方が大きいでしょう。答えは小学生でも分かります。内需を増やした方が大きいです。つまり、外需を増やすよりも、内需を増やした方が効率的なのです。
結論
現在、日本は内需を増やす政策を行いません。それは、政府が支出しないからです。デフレ対策は財政拡大が最も効果を発揮します。今の日本に必要な経済政策は財政拡大による内需の拡大です。いい加減、グローバリズムによる緊縮材債を止めないと日本経済は沈没します。そのためには、国民一人ひとりが正しい知識を身に付ける必要があります。