ベーシックインカムは甘い罠

新幹線と高速道路でベーシックインカムについて軽く触れています。
今回は、このベーシックインカムについて考えます。

ベーシックインカムとは

まず、ベーシックインカムとは政府が全ての国民に最低限の生活を送ることのできる金額を支給する制度の事です。この制度を初めに提唱したのはアメリカの経済学者のミルトン・フリードマンです。
この制度を聞いたときにどう考えましたか?最低限の保証がされているのは、すごくいいことだと感じるでしょうか。それとも、そんなことをしたら誰も働かなくなると感じるでしょうか。
賛否両論あるでしょうが、本質はそこではないと考えます。

ベーシックインカムは誰が考えたのか

そもそも、ベーシックインカムが提唱し始めた理由は現行の社会保障制度では政府が賄いきれなくなったので、ベーシックインカムをした方が安上がりだからです。考え方の始まりは財政均衡主義です。
そして、現在の社会保障制度よりも歳出が少ないから始めたということは、いざというときに政府は助けてくれないということです。
そして、ベーシックインカムを唱える人のほとんどは、財源は税収だと言っています。その証拠に、所得の低い人にとってベーシックインカムは負の所得税と言われています。

ベーシックインカムと累進課税

では、現行の社会保障制度を維持したまま、ベーシックインカムを行ったらどうなのかを考えましょう。
デフレの状況ならばある程度の効果を発揮するかもしれません。その際の財源は国債でしょう。
しかし、資本主義においてデフレは特殊な状況であり、本来はインフレの状態です。インフレ下なら物価が上がることでベーシックインカムで受け取る金額は相対的に毎年下がることになります。また、インフレ状態では政府が国債を多く発行してはいけなく、徴税を多く行うので財源は税金となります。全ての人に同じ金額を配るので、所得の差により受け取る恩恵が変わります。所得が多い人にとっては意味がなく、少ない人にとっては必要なお金でしょう。つまり、現行の累進課税制度と本質は同じなのです。一度集めたお金を配りなおすのか、初めから所得の低い人から取らないのかの違いです。また、現在にも生活保護というシステムもあります。現行社会保障システムに問題があるのは事実でしょう。しかし、どのように良くしていこうかという議論を飛ばし、ベーシックインカムにしてしまうのはあまりに民主主義を冒涜しています。

結局は小さな政府

そして何より、ベーシックインカムは政府の権限を小さくします。
全ての人に一律に同じだけお金を配るということは、そこに有権者や政治家の意思は存在しません。
今、ベーシックインカムを唱えている人のほとんどがグローバリストです。
政府の力を弱くすれば国境という概念が曖昧になり、ビジネスがやりやすくなります。
ベーシックインカムは、グローバリストが仕掛けた甘い罠なのかもしれません。

ベーシックインカムが必要な未来

ここまで否定的に話をしてきました。しかし、今後技術が進みあらゆるものが自動化された世界では、明らかにハイパーデフレとなります。その世界ではベーシックインカムは必要かもしれません。
今後、ベーシックインカムやその前段階のようなものが必要になってくるかもしれません。しかし、今の段階で何も考えずベーシックインカムを行ってしまうと大きなしっぺ返しを食らうこととなるでしょう

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